GALLERY GYOKUEI

ARTISTS

野口哲哉
Tetsuya Noguchi

1980 香川県生まれ
2003 広島市立大学 芸術学部 油絵科 卒業
2005 広島市立大学 大学院 修了
2016 平成27年度香川県文化芸術新人賞受賞


個展
2008 「野口哲哉展」/TCAF2008
2011 「ポジティブ・コンタクト」/松坂屋名古屋店
2011 「野口哲哉展」/ギャラリー玉英
2014 「野口哲哉展―野口哲哉の武者分類図鑑―」/練馬区立美術館(東京)/アサヒビール大山崎山荘美術館(京都)
2015 「The HISTRICAL ODYSSEY」/羽田空港国際線ターミナル
2015 「SLEEP AWAY」/アートフェア東京2015
2015 「野口哲哉ノ作品展 別世界旅行」/ギャラリー玉英
2016 「Human silhouette」/アートフェア東京2016
2016 「Antique Human」/ギャラリー玉英
2017 「ドローイング展 〜鎧と鉛筆〜」/ギャラリー玉英
2017 「作品展 armored neighbor 〜鎧を着た隣人〜」/ギャラリー玉英

グループ展
2007 「ゴミがアートになる!超高品質なホコリ展」/旧中工場アートプロジェクト(広島)
2007 「現代アーティストによるLE MONDE COCO―ココの世界」/シャネルネクサスホール
2008    「アートフェア東京」(〜2017年まで毎年出品)
2008 「The House展―現代アートの住み心地」/日本ホームズ住宅展示場(東京)
2008 「NETWORK JAPAN PROJECT」/INTERALIA(ソウル、韓国)
2009 「Parabiosis」/Soka Art Center(台北、台湾)
2009 「医学と芸術:生命(いのち)と愛の未来を探る」/森美術館(東京)
2010 「BASARA」展/スパイラルガーデン(東京)
2010 「YOUNG JAPANESE POSITIONS」/Michael Schultz Gallery Seoul(ソウル、韓国)
2010 「甲冑の昔と今」/ギャラリー真玄堂
2012 「Fantasy and Absurd Reality of JAPANESE CONTEMPORARY」/Edwin’s Gallery(ジャカルタ、インドネシア)
2013 「有馬温泉路地裏アートプロジェクト」/(兵庫)
2016 「再発見!ニッポンの立体」/群馬県立館林美術館/静岡県立美術館/三重県立美術館
2017 「CROSS POINT 交差する視線ー20の表現」/香川県立ミュージアム

その他の活動
2011 「稼働する事」/芝浦工業大学 メインビジュアル
2014 「Happy children’s day」/Audi Forum Tokyo

映像
2017 「Tetsuya Noguchi, Artist」/toco toco
2017 「DESIGN TALKS plus: Samurai Icons」/NHK WORLD

出版物
2014 「侍達ノ居ル処」/青幻舎
2017~ 隔月刊誌「猫びより」/辰巳出版 見開きコラム「昔の猫、昔の人」連載中

 

野口は武具や甲冑、それらを纏った人間をモチーフに、リアリズムの視点から制作活動を続ける作家である。 
幼い頃から古典油彩画に興味を持ち、同時に武具や甲冑にも惹かれてきた野口は、制作の中で両者を統合し、所謂ハイパー・リアリズム彫刻に近い形でそれを実践している。
一般的に我々が思い描く武士の姿というのは、美意識や精神論に偏ったステレオ・タイプのイメージがある。しかし野口の作品の中の人物は、現代人との間に大きな区別を設けておらず、そこには「リアルな甲冑を作る事以前に、リアルな人間の姿を探求したい」という野口の想いが現れている。
「無さそうであるもの」と「ありそうで無いもの」の両者が交錯する世界観の中で、それでも見る者に安心感を与えるのは、鑑賞者がそこに生きた人の気配を感じるからだろう。ユーモラスなだけではなく、全ての作品にそこはかとなく漂うペーソス(寂寥感)が読み取れるのも、作家本人の人間観に基づくものと思われる。
野口の作品のもう一つの魅力は、その技巧に見ることが出来る。豊富な知識と卓越した技術によって、 甲冑武具の細部や、絵画画面の劣化に至るまで丹念に作り上げられるが、これは先に述べた油彩画の技巧が大きく関係している。学生時代に一貫して油彩画を専攻し、古典絵画からリアリズムの技法を学んだ野口にとって、古色や劣化を色彩へと分解し、キャンバスに再構築する作業はごく当たり前の事であるからだ。
過去から現代、そして未来へと時代の姿が変わっても、その中に順応してゆく人間の姿は決して変わらない。野口の作品世界が紡ぎ出すリアリティーはそんなごく当たり前な事実を私たちに垣間見せてくれる。

Noguchi, through the eyes of realism, looks into his motif of man with traditional Japanese arms and armours. 
Since he has been interested in classic oil painting and also fascinated by arms and armours from young age, the artist has united the two in his creation and practices something close to what is called Hyperrealism sculpture. 
The concept of Japanese warrior, or Bushi, we have in our mind is often flooded with stereotypes of its strong aesthetics or idealism. On the other hand, Noguchi’s human figures appear very similar to how we are today. This is due to the artist’s endeavor to capture human in reality that is put before reproducing realistic armours. 
In Noguchi’s expression, there is a chiasm of ‘What looks fictional but is actually real’ and ‘What looks real but is actually fiction’. Yet, we feel a touch of human in life in his world that offers us a sense of compassion. 
Along with humour, there is always a subtle feel of pathos portrayed throughout his work, which perhaps comes from the artist’s view towards humanity.
Another beauty of the works is found in his technique. His deep knowledge and excellent skills enables fine details of armours and deteriorated effects on paintings. This fruitage has its roots in his original interest towards oil paintings. As an art student, Noguchi had specialized in oil painting throughout his life at college and learnt the techniques of realism expression from classical paintings. For this, studying antique colours and deterioration to deconstruct these into colours on his palette in order to reconstruct on canvas is not a special task for Noguchi. 
Our time and history goes by from past to present, and towards future. However, the effort of human adapting to the change remains the same. The reality visualized by Noguchi’s series of expressions wakes us up to the glimpse of this ordinary fact.

 

small & Giant
2012年
ミクストメディア(樹脂、化学繊維など)
S: H7.0cm / G: H45.0cm


英雄とは、理想化の中で実態を
失い、
精神的な象徴として認知されることにその本質があります。
でも、たしかに過去には実在し、社会を構成した歯車の一部でもあったはずです。

 

Avatar 1 ~現身~
2016年
ミクストメディア(樹脂・化学繊維・布・合成塗料)
H 29.3cm

Avatar 2 ~現身~
2016年
ミクストメディア(樹脂・化学繊維・布・合成塗料)
H 30.0cm

 

似ている肖像画が、実は親子を描いていたり、
同じ人物を異なる絵師が描いていたり、ただ単に他人の空似だったりする事があります。

Traveler〜旅する侍〜
2013年
ミクストメディア(樹脂、化学繊維など
H18.7cm

 

ある映画のメイキング写真で、撮影の合間にビニール傘を差して小雨をしのぐ鎧武者の姿がありました。
そのリラックスした表情や姿は、映画本編以上に美しい人間の佇まいが現れていました。

BLAK MAN & HIS OPTION
2016年
ミクストメディア
22.5×15.5

 

武装した侍の姿は昆虫に似ています。
人の外骨格として発達した甲冑には、人体を内包しつつ、
防護や威嚇、個別識別のためのデザインなど、生きていく上での多くの機能がレイズされています。
その姿は恐ろしくも滑稽で、悲しくも美しく見える時があります。

 

 

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